ジャスミン
『まぁ、そんな風にも見えるか…あいつは、俺の双子の弟だよ。』

『は?弟って…ふ、ふたごぉ!?』

思っていたより、大きな声が出てしまい、慌てて両手で口元を押さえる。幸い、お客さんは私たちだけの様でホッとするともう一度問いかけた。

『え、えっと、双子の弟さんなの?』

『あぁ、二卵性双生児なんだよ。認めたくないけどなっ、あんな騒がしいやつ。』

颯太郎は先程の弟さんの様子を思い出したのか、呆れた表情をする。

『そ、そうなんだ~。』

『そうなんですっ!』

『ひゃっ!?』

自分に言い聞かせるように呟いたところで、賑やかな店員もとい、弟さんが被せてきた。

茉莉の驚きにも同様することなく目の前にフォークなどの類いを綺麗に並べ終えると、ウインクをする。


『はじめまして~颯太郎の双子の弟の金子 幸太郎です!』

『あっ、はじめまして!「ガタッ」ってイタっ!?…倉田茉莉と申します…。』

『プッ、フフ…ハハ、ア~大丈夫?』

名前を名乗ろうと席を立つときに、勢い余って膝をテーブルに強打してしまい、何とも情けない自己紹介になってしまった。
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