ジャスミン

『たっだいま～！あ～疲れちゃったぁ。…あれ？颯ちゃん？』

袋をテーブルに置きながら、こちらの様子に、いや颯太郎の存在に気づくと一目散に駆け寄ってきた。

『きゃぁ～！久しぶりっ。会いたかったぁ！！』

茉莉の存在に気づくこともなく、颯太郎の身体に抱きついている。


チクッ。

茉莉は胸が締め付けられるような痛みに自然と目線を颯太郎と彼女から手元のカフェオレに移した。

『おいっ、離れろよ。ったく京子も相変わらずだな。』

颯太郎は慣れているのか、動揺することもなく京子と呼ばれる彼女を引き離した。

『んもぅ～相変わらず冷たいんだからぁ！』

京子は頬っぺたを膨らませて颯太郎に抗議しながら、ようやく気づいたのか茉莉に視線を移した。

『うん～と…あなた誰？』

色白で透き通った肌、肩までのふんわりパーマの可愛らしいイメージとは正反対の遠慮のない視線が茉莉に突き刺さる。