ジャスミン
『えっ!本当ですか?凄い!』

西川くんの反応が普通なのだが、茉莉は知っていたことだけに驚く真似すらできず部長と目を合わせると苦笑いをした。


『まぁ、それでだな…しばらくの間、俺が長期出張という形で現地に出向くことになった。だが、知っての通りショーも控えてる訳で本当なら俺と倉田が関わっていくことになるんだが、西川に倉田のアシスタントを任せようと思う。』

部長の言葉に西川くんの表情がぱぁっと明るいものに変わる。


『本当ですか?ぜひやらせて下さい!頑張ります!!』

『ちょ、ちょっと待って下さい!私が部長の代わりということですか?そんな大役部長もいなくて無理ですよ!』

部長は西川と茉莉の正反対の反応に目を細めるが、西川の方に顔を向ける。

『まぁ、詳しくは追々引き継ぎでな。西川は戻っていいぞ。』

『え…あ、はい。よろしくお願いします。』


自分だけ戻されることに若干、戸惑いつつも深々と一礼すると茉莉の様子を気にしながらも退室する。


『…どうしてですか?こんな大きい仕事を私に…。』

『なんだ、自信がないのか?やっぱり俺と一緒に行くか?』
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