ジャスミン
今度は西川がそんな茉莉の様子をじっと見つめる。

(絶好のチャンスだ!どんな手をつかっても絶対に俺のモノにしてやる。)

フッと自信ありげに皆の前では見せないような不敵な笑みを浮かべた。



それからの毎日は目もまわる程で、颯太郎も茉莉もゆっくりと会うこともままならない状態が続いた。

それとは逆に西川と一緒に過ごす時間が否応なしに増えていく。

『茉莉さん!今日ですよね?』

『そうね。昼食を兼ねてだから、後一時間くらいしたら出ようか?部長は現地集合みたいだから。』

茉莉は腕時計に目をやりながら話す。

『うわぁ~何食べれるんですかね?楽しみだな!』

『こらっ!目的が違うでしょ?』

最近の二人はすっかり意気も投合して冗談も言い合えるほどだ。
< 173 / 348 >

この作品をシェア

pagetop