ジャスミン
『そういえば、今日はそのまま直帰ですよね?夜何か予定ありますか?』
西川の言葉に過るのは颯太郎の顔。
(颯太郎に会えてないし、マンション行ったら迷惑かな…。)
数日間会えていないことで、茉莉はすっかり充電切れ寸前だった。
『前言ってた相談乗って欲しいんですけど駄目ですか?』
仔犬のような表情で見つめられると断りの言葉が出てこない。
『あ、あぁ…そうだね、じゃあ、そうしようか!』
『本当ですか?やったぁ!今日の打ち合わせやる気出てきましたよ!』
(颯太郎もいきなり行ったら迷惑だよね…。)
西川の言葉を聞き流しながら、身も心も颯太郎を欲しているように胸がズキンズキンと音を立てた。
高層ビルが多いこの付近の中でも一際存在感を主張するこの建物。『KSM』の親会社がある本社ビル…茉莉は首が痛くなるくらいの高さに息をのむ。
『ここが本社ですかぁ?すごいなぁ!』
まるで緊張感の感じられないトーンで話す西川を横目で見ながら、茉莉の心拍数は上がっていく。
右手に持つ鞄の持ち手をギュッと強く握るとしっかりとした足どりで入口へと向かった。
西川の言葉に過るのは颯太郎の顔。
(颯太郎に会えてないし、マンション行ったら迷惑かな…。)
数日間会えていないことで、茉莉はすっかり充電切れ寸前だった。
『前言ってた相談乗って欲しいんですけど駄目ですか?』
仔犬のような表情で見つめられると断りの言葉が出てこない。
『あ、あぁ…そうだね、じゃあ、そうしようか!』
『本当ですか?やったぁ!今日の打ち合わせやる気出てきましたよ!』
(颯太郎もいきなり行ったら迷惑だよね…。)
西川の言葉を聞き流しながら、身も心も颯太郎を欲しているように胸がズキンズキンと音を立てた。
高層ビルが多いこの付近の中でも一際存在感を主張するこの建物。『KSM』の親会社がある本社ビル…茉莉は首が痛くなるくらいの高さに息をのむ。
『ここが本社ですかぁ?すごいなぁ!』
まるで緊張感の感じられないトーンで話す西川を横目で見ながら、茉莉の心拍数は上がっていく。
右手に持つ鞄の持ち手をギュッと強く握るとしっかりとした足どりで入口へと向かった。