ジャスミン
……?

…………は?


はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!????



確かにずっと会いたかった。

…確かに仕事に打ち込み過ぎてずっと忙しくしていたかもしれない。


しかしその結果、私の脳内は都合の良いように人を替えてしまうのだろうか??

茉莉は自分の目の前に立つ人物に驚愕して言葉が出てこないー。

挙句に忙し過ぎて、とうとうおかしくなってしまったのかと心配になってきた。

そんな茉莉の様子で彼女の脳内が手に取るように解る二人の人物は込み上げてくる笑いを抑えるのに必死だった。

『今日は御足労頂いてありがとうございます。私は企画室課長の金子 と申します。』

態とらしく丁寧な挨拶をしながらも、見覚えのあるあの意地悪気な表情をする。

『…っ!?』

この表情を見て、どうやら幻ではないと気づく。そして、助けを乞うように部長を見るとこれまた同じように心底この状況を楽しんでいる意地悪気な表情…。

『茉莉さん…?』

アワアワしている茉莉を不審そうに見る西川の声にハッと我にかえると出来るだけ冷静を装う。
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