ジャスミン
『おまえが猫被ってることくらい初めから分かってるよ。それでも、実力と根性をかって今回倉田に付けたんだ。おまえのするべきことは、あいつのサポートであって邪魔になってたんじゃ話にならない。』

『そうですか…もちろん俺が茉莉さんを支えていくつもりです!俺が一番彼女に相応しいんだ。なのに、どいつもこいつも邪魔ばっかりしやがって…。』

佐伯の直球の話ぶりに西川も本音が出てしまったようだ。

『…なるほどな。何で普段は猫被ってんだ?つまりはさ、今の自分じゃ受け入れて貰えないって分かってんじゃねえの?』

『っ‼︎…まぁ、どのみち彼女は僕のところに来る筈ですから。』

西川の自信のある言い方に茉莉に何かしたのだと確信する。

『おまえが思ってるより、あいつはずっと賢いやつだよ。』

『どうでしょう?人間楽な方が良いに決まってますから!もう、良いですか?失礼します。』

態とらしくお辞儀をすると今度こそ部屋を出て行った。


『…面倒くせえ奴ばっかだな。』

佐伯は再び閉まったドアの方を見ながら呟いたーー。
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