ジャスミン
『…茉莉さん、優し過ぎますよ。…分かりました!これからも全力で茉莉さんのことサポートさせてください。』

西川の瞳を見て茉莉はこれが本当の彼の姿なんだと感じた。

『うん。よろしくね!…後、西川くんの気持ち嬉しかった。応えることは出来ないけど、ありがとう。』

『…分かってますよ。でも、茉莉さんが後悔するようなことがあれば、いつだって奪いに行きますから!』

冗談とも本気ともとれる言い方に茉莉は苦笑いをする。

『残念ながら、そんな時は来ないから安心しろ!』

いつの間にか後ろから手が伸びてきて抱き締められるような格好になる。

『はぁー…早速、公私混同かよ。やってられねぇ、俺、お先に失礼しますね。』

西川は鞄を肩に乗せると片手を挙げて部屋を出て行った。


『あいつに良いとこ全部持ってかれたな。』

茉莉の頭に後ろから顎を乗せながら颯太郎が呟く。

『ふふ…本当にね。』

フニ。
『いひゃ〜い!』

颯太郎が後ろから茉莉の頬っぺたを摘まむ。

『何か悔しい。』

『は?痛いってば!』

散々頬っぺたを弄ばれるとようやく解放された。
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