ジャスミン
『奥様、お見えになりました。』
女性が一つの部屋の前に立ち止まると、中にいるのであろう人物に声を掛けた。
『そう。入ってもらって。』
中から聞こえる声にいよいよ緊張感が高まってくる。
襖が音も無く開けられると、そこは茶室になっているようで、一段とオーラを纏った女性が見惚れてしまう程の綺麗な作法でお茶をたてていた。
『お入りなさい。』
立ち尽くす茉莉は目の前に置かれた座布団に座るように促される。
『あ、はい…失礼します。』
座布団に座ると、薄々感じていた予感が的中したことを悟る。茉莉は両手をついて頭を下げて口を開いた。
『初めまして。颯太郎さんのお母様でいらっしゃいますよね?』
茉莉の言葉に対しての返答がない。不安感いっぱいの茉莉は伺うように顔をあげた。
目の前の女性は真っ直ぐに茉莉を見つめていた。
女の茉莉から見ても美しい凛とした女性。その中にも颯太郎や幸太郎さんを思わせるような面影を感じる。間違いなく二人の母親なのだと思った。
女性が一つの部屋の前に立ち止まると、中にいるのであろう人物に声を掛けた。
『そう。入ってもらって。』
中から聞こえる声にいよいよ緊張感が高まってくる。
襖が音も無く開けられると、そこは茶室になっているようで、一段とオーラを纏った女性が見惚れてしまう程の綺麗な作法でお茶をたてていた。
『お入りなさい。』
立ち尽くす茉莉は目の前に置かれた座布団に座るように促される。
『あ、はい…失礼します。』
座布団に座ると、薄々感じていた予感が的中したことを悟る。茉莉は両手をついて頭を下げて口を開いた。
『初めまして。颯太郎さんのお母様でいらっしゃいますよね?』
茉莉の言葉に対しての返答がない。不安感いっぱいの茉莉は伺うように顔をあげた。
目の前の女性は真っ直ぐに茉莉を見つめていた。
女の茉莉から見ても美しい凛とした女性。その中にも颯太郎や幸太郎さんを思わせるような面影を感じる。間違いなく二人の母親なのだと思った。