ジャスミン
『…あなたも今の仕事随分頑張っているようだけど、そろそろ本格的にあの人の跡を継ぐ準備を始めないといけませんね。今の仕事は早いうちに他の社員たちに引き継ぐ手配をしておきなさい。』
『引き継ぎって!いきなり何を言い出すんですか⁉︎俺は今の仕事は最後までしっかり自分が関わっていくつもりです!』
突然の事に立ち上がり抗議をするが、黒眼一つ揺らぐ事のない早紀江にまるで間違っているのは自分だとすら勘違いしてしまいそうになる。
『彼女には彼女の人生があるのですよ?あなたは自分の為に今の仕事を辞めて欲しいと言えますか?』
『え…?』
早紀江の言葉に鈍器で殴られたような衝撃を受ける。
(俺の為に茉莉に仕事を辞めて欲しいなんて…。)
『今のあなたには足りないものがあるわ。一度冷静に考えてみなさい。』
『……。』
部屋を出ると来た時の威勢はどこにいったのか、ただ自分の行く末を見つめながら歩いていく。
『颯太郎坊っちゃん…。』
芳江さんの声も耳に入らないまま、ゆっくりと家の扉を閉めたーー。
『引き継ぎって!いきなり何を言い出すんですか⁉︎俺は今の仕事は最後までしっかり自分が関わっていくつもりです!』
突然の事に立ち上がり抗議をするが、黒眼一つ揺らぐ事のない早紀江にまるで間違っているのは自分だとすら勘違いしてしまいそうになる。
『彼女には彼女の人生があるのですよ?あなたは自分の為に今の仕事を辞めて欲しいと言えますか?』
『え…?』
早紀江の言葉に鈍器で殴られたような衝撃を受ける。
(俺の為に茉莉に仕事を辞めて欲しいなんて…。)
『今のあなたには足りないものがあるわ。一度冷静に考えてみなさい。』
『……。』
部屋を出ると来た時の威勢はどこにいったのか、ただ自分の行く末を見つめながら歩いていく。
『颯太郎坊っちゃん…。』
芳江さんの声も耳に入らないまま、ゆっくりと家の扉を閉めたーー。