ジャスミン
『本当に茉莉ちゃんは謝ってばっかなんだから!セミダブルのベッドにかよわい女子二人は全然狭くないわよっ。』

ウインクをつけて「かよわい」と断言する様は全くそうは見えないが、これも美香なりの気遣いなのだろう、茉莉は頷きながら微笑んだ。

『茉莉ちゃん今日はどうする?』

『うん、今日は実家に行こうかなって思ってる。』

だいぶ前にたまには帰って来いと懇々と電話で言われて今日はその重い腰をあげることに決めていた。

『そっかぁ。私も久々に由梨ちゃんに会いたい〜♡今度連れてってね!』

『はは…きっとママも喜ぶよ。』


その後は二人でワイワイしながら朝食を作って食べて、腫れぼったい瞼をあれやこれやと冷やしたり…いつも以上に賑やかな時間が過ぎていく。それが茉莉には変に気を遣われるより嬉しかった。


『…それじゃ、また明日ね。色々ありがとう!…私、頑張るよ。』

『うん。きつくなったらいつでもおいで!私は茉莉の味方で居続けるから。』

これほど心強い味方はいない。茉莉は『ありがとう!』と心から感謝しながら美香の部屋を後にした。
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