ジャスミン
実家へと向かう電車の中で昨日から全く手にとることの無かった携帯を見る。
『あっ…。』
思わず声をあげてしまい、片方の手を口に当てると周囲を確認する。
どうやら誰も気にしていないようで安堵するともう一度携帯の画面に目を向ける。
「来週の日曜日空けておいてほしい。」
颯太郎からのメッセージに手早く「分かりました。」と返信すると、その携帯を鞄の中に入れる。
来週の日曜日といえばクリスマスイヴだ。颯太郎と過ごす最初で最後の日になるかもしれない…その事に気付くと胸が張り裂けそうな程苦しい気持ちになっていく。
車窓の景色は流れるように移り変わっていき次第に懐かしさを感じるようになってきた頃、実家最寄り駅に到着した。
今住んでいる場所からそこまでは離れていないが、だからこそ行くのが億劫に感じてしまう。
そんな茉莉の性格を熟知しているからこそ、母は半強制的に呼び付けるのかもしれない。
ただ家にいるだけでは耐えられない今はその母の強引さすら有難く感じてしまう。
『あっ…。』
思わず声をあげてしまい、片方の手を口に当てると周囲を確認する。
どうやら誰も気にしていないようで安堵するともう一度携帯の画面に目を向ける。
「来週の日曜日空けておいてほしい。」
颯太郎からのメッセージに手早く「分かりました。」と返信すると、その携帯を鞄の中に入れる。
来週の日曜日といえばクリスマスイヴだ。颯太郎と過ごす最初で最後の日になるかもしれない…その事に気付くと胸が張り裂けそうな程苦しい気持ちになっていく。
車窓の景色は流れるように移り変わっていき次第に懐かしさを感じるようになってきた頃、実家最寄り駅に到着した。
今住んでいる場所からそこまでは離れていないが、だからこそ行くのが億劫に感じてしまう。
そんな茉莉の性格を熟知しているからこそ、母は半強制的に呼び付けるのかもしれない。
ただ家にいるだけでは耐えられない今はその母の強引さすら有難く感じてしまう。