ジャスミン
『…ねぇ、ママってさーパパとどうして結婚したの?』

『唐突ね〜、うーん、簡単に言うと大好きだったの。』

『大好きって…。』

自分から聞いたものの、両親の恋愛エピソードを聞くというのは思ったより衝撃が大きいもののようだ。

『ママがね、ひたすらパパの背中を追いかけて、追いかけて…やっと追いついたと思ったらお義母さんに反対されたりしちゃって大変だったなぁ。』

ガチャッ
『えっ⁉︎おばあちゃんに反対されてたの?』

驚きの余り、カップを乱暴に皿の上に置くと身を乗り出す。祖母はそんな過去を感じさせないくらい、いつもにこやかで優しい人なのだ。

『あぁ…茉莉ちゃんそれ高いのにぃ…。』

母は茉莉よりカップの行く末を心配そうに見つめる。だが、茉莉はかなりタイムリーな話題に藁をもすがる思いで母に話の続きを促す。

『お義母さんはね、パパとママの気持ちを試したの。一度や二度反対されたくらいで諦めるような想いだったら夫婦として長続きしないってね!』

『…それでママたちはどうしたの?』

茉莉は不安そうに続きを聞いてみる。
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