ジャスミン

『じゃあ、行くね。』

『あっ、茉莉ちゃん！』

呼び止められ振り返ると先ほどまでの雰囲気とは一転して真面目な表情の母がいた。

『一人で辛くなったらいつでも帰って来なさい。ここはあなたの家なんだから。』

『…うん、ありがとう。』

茉莉はこみ上げてくるものを必死に耐えながら笑顔で玄関のドアを開けたーー。


外に出て振り返ると、我が家を見つめる。

（私には心強い味方がたくさんいるんだからっ！）


背中を後押しされ、茉莉は今度こそ自分の足で未来に繋がる一歩を歩き始めた。