ジャスミン
『ありがとう…大事にするね。』
茉莉はラッピングされたバレッタを大事そうに胸に押し当てて、お礼を言う。
『いや…大したもんじゃなくて悪いな。』
『ううん。そんなことない、本当に嬉しい!』
茉莉は力強く否定すると、颯太郎は照れくさそうに鼻のあたまをポリポリとかきながら一人先に歩き出す。茉莉はその様子にクスッと笑うと小走りで後を追って自ら指を絡めた。
『じゃあ、そろそろ飯に行くか。』
車の中に乗り込むとシートベルトを締めながら颯太郎が声をかける。
『うん!』
茉莉も同様にしながら颯太郎の提案を受け入れた。
窓の外に目を向けると、時刻は夕方の頃に差し掛かり空も薄暗くなってきている。茉莉は助手席の窓を見る振りをしながらこっそり反射して映る颯太郎の横顔を見つめる。
茉莉は真剣に前を見据えながらハンドルを握る彼が大好きだ。でも、それを見ることが出来るのも後僅かな時間でおしまい。薄暗くなる景色に比例するかのように茉莉の心は陰を落としていった。
茉莉はラッピングされたバレッタを大事そうに胸に押し当てて、お礼を言う。
『いや…大したもんじゃなくて悪いな。』
『ううん。そんなことない、本当に嬉しい!』
茉莉は力強く否定すると、颯太郎は照れくさそうに鼻のあたまをポリポリとかきながら一人先に歩き出す。茉莉はその様子にクスッと笑うと小走りで後を追って自ら指を絡めた。
『じゃあ、そろそろ飯に行くか。』
車の中に乗り込むとシートベルトを締めながら颯太郎が声をかける。
『うん!』
茉莉も同様にしながら颯太郎の提案を受け入れた。
窓の外に目を向けると、時刻は夕方の頃に差し掛かり空も薄暗くなってきている。茉莉は助手席の窓を見る振りをしながらこっそり反射して映る颯太郎の横顔を見つめる。
茉莉は真剣に前を見据えながらハンドルを握る彼が大好きだ。でも、それを見ることが出来るのも後僅かな時間でおしまい。薄暗くなる景色に比例するかのように茉莉の心は陰を落としていった。