ジャスミン
颯太郎と出会うまではタオル片手に喰い入るように見ていたドラマも今となっては彼を思い出すきっかけにしかならず、リモコンを手に取るとテレビの電源を切る。
茉莉は箸をテーブルに静かに置くと後ろにあるソファに深く腰掛ける。
『結婚するんだ…。』
西川からの話を聞き流すような素振りをしたものの、実際のところのダメージはかなり大きなものだった。
茉莉の颯太郎への想いは会えなくなってからも変わらず、いや…より大きくなっていた。颯太郎は跡取りだからいずれは他の人と結婚するのかもしれないことは頭では理解していたものの、心がまだ追い付けるような状態ではなかった。
(…颯太郎は平気なのかな。前に進めていないのは私だけだったのかな。)
ソファの上に膝を抱えて疼くまる。
会いたい。
あなたに会いたい。
私だけを愛してよ。
茉莉は決して伝わることのない想いを心の中で叫ぶ。
その日は夜遅くまで茉莉の部屋の灯りは消えることはなかったーー。
茉莉は箸をテーブルに静かに置くと後ろにあるソファに深く腰掛ける。
『結婚するんだ…。』
西川からの話を聞き流すような素振りをしたものの、実際のところのダメージはかなり大きなものだった。
茉莉の颯太郎への想いは会えなくなってからも変わらず、いや…より大きくなっていた。颯太郎は跡取りだからいずれは他の人と結婚するのかもしれないことは頭では理解していたものの、心がまだ追い付けるような状態ではなかった。
(…颯太郎は平気なのかな。前に進めていないのは私だけだったのかな。)
ソファの上に膝を抱えて疼くまる。
会いたい。
あなたに会いたい。
私だけを愛してよ。
茉莉は決して伝わることのない想いを心の中で叫ぶ。
その日は夜遅くまで茉莉の部屋の灯りは消えることはなかったーー。