ジャスミン
颯太郎は再びネクタイに触れると、緩めるのではなく、しっかりと締め直す。
そのまま椅子に座ると、書類を手に取り仕事を再開した。
プルルル…
内線が鳴り受話器を取ると、相手は親父である社長の秘書からだった。『今すぐお越しください。』と用件を言い終えると切れた。
『…嫌な予感しかしないな。』
ポツリ呟くと重い腰をあげ、社長室へと向かう。
トントン
『颯太郎です。』
『入りなさい。』という声と共に秘書が中から扉を開ける。
『…失礼します。』
颯太郎が入ると同時に秘書は席を外すように出て行った。代わりに来客用のソファには何故か母の早紀江が座っていた。
『珍しいですね…どうしたんですか?』
警戒心たっぷりに様子を伺うのは、この母の子として30年近くやってきた経験からだ。
『あら、クスッ。まぁ、座りなさい。あなたもよ。』
そんな息子の様子を可笑しそうに口元に手を当てて笑うと颯太郎と社長である旦那に座るよう促す。
そのまま椅子に座ると、書類を手に取り仕事を再開した。
プルルル…
内線が鳴り受話器を取ると、相手は親父である社長の秘書からだった。『今すぐお越しください。』と用件を言い終えると切れた。
『…嫌な予感しかしないな。』
ポツリ呟くと重い腰をあげ、社長室へと向かう。
トントン
『颯太郎です。』
『入りなさい。』という声と共に秘書が中から扉を開ける。
『…失礼します。』
颯太郎が入ると同時に秘書は席を外すように出て行った。代わりに来客用のソファには何故か母の早紀江が座っていた。
『珍しいですね…どうしたんですか?』
警戒心たっぷりに様子を伺うのは、この母の子として30年近くやってきた経験からだ。
『あら、クスッ。まぁ、座りなさい。あなたもよ。』
そんな息子の様子を可笑しそうに口元に手を当てて笑うと颯太郎と社長である旦那に座るよう促す。