ジャスミン

『あぁ、まんまとやられた感はものすごいけどな。』

『ほんと…うちのママはだいぶぶっ飛んでると思ってたけど、まさかここまでとはね。』

顔を見合わせ、恐らく子どもの頃から母に苦労してきただろう共通点を持つ同士労い合う。


『だけど、これで俺たちは認めてもらえたってことだよな？』

『ふふ…ラスボスは攻略出来たってこと？』

ここにはいない幸太郎たちが喜んでくれている顔が浮かんでくる。颯太郎は歩みを止めて茉莉に向かい合うと、ずっと伝えたかった言葉を伝える。


『茉莉…会いたかった。』

『私も颯太郎に会いたかった。』

『もう二度と離さないで…。』

『もう二度と離さない。』


互いが自然にその距離を埋めていく。そして身体を寄せ合うと顔を近づけていったーー。