ジャスミン
〜茉莉〜
『かんぱ〜いっ‼︎』
部屋のあちこちにグラス同士が合わさる音が響いていく。
「KSM夏のファッションショー」は過去にはないくらいの盛り上がりを見せて幕を閉じた。その後、慌ただしく撤去作業が行われ息をつく間もなく茉莉は打ち上げ会場にいるのだ。
茉莉は両手で持ったグラスに口をつけながら居心地の悪い視線の数々に顔を引きつらせる。
(ゔぅ…仕方ないけど、仕方ないんだけど…逃げ出したいっ!)
何万人もの人たちの前で行われた公開プロポーズ…感動のあまり颯太郎しか見えていなかったが、ハッと我に返った時には既に遅く生きた心地すら感じられないくらいの恥ずかしさの中、颯太郎に手を引っ張られていく形でランウェイを戻って行ったーー。
『ま、りちゃ〜ん♡』
一際弾んだ声が背後から聞こえてくる。
(っ⁉︎ふ、振り向きたくない…。)
心の叫びは叶うはずもなく、ぎこちなく笑みを浮かべながら茉莉は声のする方に向き返った。
『美香…おつかれさま。』
『かんぱ〜いっ‼︎』
部屋のあちこちにグラス同士が合わさる音が響いていく。
「KSM夏のファッションショー」は過去にはないくらいの盛り上がりを見せて幕を閉じた。その後、慌ただしく撤去作業が行われ息をつく間もなく茉莉は打ち上げ会場にいるのだ。
茉莉は両手で持ったグラスに口をつけながら居心地の悪い視線の数々に顔を引きつらせる。
(ゔぅ…仕方ないけど、仕方ないんだけど…逃げ出したいっ!)
何万人もの人たちの前で行われた公開プロポーズ…感動のあまり颯太郎しか見えていなかったが、ハッと我に返った時には既に遅く生きた心地すら感じられないくらいの恥ずかしさの中、颯太郎に手を引っ張られていく形でランウェイを戻って行ったーー。
『ま、りちゃ〜ん♡』
一際弾んだ声が背後から聞こえてくる。
(っ⁉︎ふ、振り向きたくない…。)
心の叫びは叶うはずもなく、ぎこちなく笑みを浮かべながら茉莉は声のする方に向き返った。
『美香…おつかれさま。』