ジャスミン
一頻り笑うと、何とか自分を抑えながら、きっと混乱してるのだろう。堂々とあらぬ姿を見せる茉莉に動揺を悟られないように伝える。


『えっ?…わぁっ!!』

茉莉は自分の姿を確認すると慌てて、布団を被る。

教えなければ良かったなんて頭の片隅を過ったが、それ以上に茉莉の顔を見ると、今にも泣きそうになっている…。

ズキッと心が痛むような音がした。


俺は彼女に近寄り、頭に手をおく。

…本当は抱きしめたかったが、これ以上、動揺させたくなかった。

彼女のことも、自分自身のことも。


そんな俺を見上げる茉莉は、やはり涙目になっている。

俺はそんな彼女に出来るだけ優しく微笑むと謝りの言葉を伝え、彼女にシャワーを勧めた。

彼女も気まずさからか、無言で頷くと、布団を巻き付け俺の後ろに付いてきたー。
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