ジャスミン
一方、颯太郎は今関わっている一大プロジェクトの調整に追われていた。

『あぁ。その会場なら、それくらいはいるだろう。～じゃあ、よろしく頼むな。』

『課長、この書類お願いします。』

『あぁ、分かった。』

打ち合わせの電話を終えると、次々に部下が書類を持ってくる。昼休憩は打ち合わせを兼ねて、会議室で済ますと流石に疲れてきた。


自販機の前に立つと、ボタンを押す。

『課長、珍しいの飲みますね？やっぱり、糖分は摂取しないとやってられませんもんねぇ。』

部下の一人に声を掛けられ、『そうだな。』と濁しつつ、手に取った缶をじっと見た後、それを開けて一口飲む。

(…やっぱり甘いな。)

カフェオレの甘さに苦笑いを浮かべて、また一口飲むと残りの仕事を片付けるため歩き出した。

その後も黙々と仕事をしていたら、あっという間に定時を30分程過ぎていることに気づく。

(…今日はこれに助けられたな。)

すでに空になったカフェオレの缶をゴミ箱に入れると、きっと自分を待ち構えているであろう人物の為に早々に仕事を切り上げ、残業している社員に声を掛け、出口へと向かった。
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