ジャスミン
『でも、俺の読み通りだったってことか。颯太郎が部屋に女入れるなんて初めてじゃない?しかも、朝食まで仲良く食べちゃってさ。』

『…まぁ、な。』

確かに俺は自分のテリトリーである場所に女を入れたことがなかった。…なのに、茉莉には嫌悪感を感じることもなく、むしろもっと一緒にーとすら思ってしまった。


『認めちゃったら?』

颯太郎の気持ちの変化を見透したように大樹が追い討ちをかける。

『確かに気にはなるが、今のプロジェクトに集中したいんだよ。』

これは本心だった。今、取り掛かってる仕事に打ち込む為には、恋愛にかまけてる場合ではない。

『そうなんだ。残念だけどこれ以上、無理そうだね。…まぁ、茉莉ちゃんのこと、狙ってる奴もいっぱいいるみたいだしね!』

さりげなく爆弾を落としてきやがった。完全に大樹に遊ばれている…。

大樹の爆弾発言が気になりつつ、その後は仕事の話をして、週始めということもあり、早めに店を出た。
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