ジャスミン
『なんか降ってきそうじゃない?』
大樹の言葉に空を見上げると、店に入る前に比べ雲が厚く覆っている。降られる前に早く帰宅しようと急ぎ足で歩いていると、前方をフラフラと歩く女が目に入る。
『…あいつ。』
俺の視線に大樹もその女に目を向ける。
『あれ?茉莉ちゃんじゃない?』
今にも、崩れ落ちそうな状態で、いつ誰かにぶつかるかヒヤヒヤしてしまう程の姿だ。しかも、ここは繁華街、あんな茉莉はかっこうの餌食だ。
俺は小走りで、茉莉に追いつくと腕を掴む。
『い、いやぁ!』
茉莉はビクッと身体を強ばらせると信じられないような力で俺を振りきり走り出す。
俺は一瞬、呆気にとられるが、すぐさま我に返ると自分の鞄を大樹に預けて茉莉のあとを追ったー。
『二人ともがんばって~!』
大樹はすでに姿の見えない二人に呟くと、颯太郎の鞄とともに投げ捨てられた茉莉の鞄を拾ってパンパンッと叩くと電話を掛けながら歩き出したー。
大樹の言葉に空を見上げると、店に入る前に比べ雲が厚く覆っている。降られる前に早く帰宅しようと急ぎ足で歩いていると、前方をフラフラと歩く女が目に入る。
『…あいつ。』
俺の視線に大樹もその女に目を向ける。
『あれ?茉莉ちゃんじゃない?』
今にも、崩れ落ちそうな状態で、いつ誰かにぶつかるかヒヤヒヤしてしまう程の姿だ。しかも、ここは繁華街、あんな茉莉はかっこうの餌食だ。
俺は小走りで、茉莉に追いつくと腕を掴む。
『い、いやぁ!』
茉莉はビクッと身体を強ばらせると信じられないような力で俺を振りきり走り出す。
俺は一瞬、呆気にとられるが、すぐさま我に返ると自分の鞄を大樹に預けて茉莉のあとを追ったー。
『二人ともがんばって~!』
大樹はすでに姿の見えない二人に呟くと、颯太郎の鞄とともに投げ捨てられた茉莉の鞄を拾ってパンパンッと叩くと電話を掛けながら歩き出したー。