ジャスミン
〜茉莉〜
『あがって。今、タオル持ってくる。』
『…うん。』
ポタポタと髪の毛の先から、雨の雫が垂れてくる様子を見ながら茉莉は初めて意識のある状態で颯太郎の部屋に足を踏み入れる事に気づいて挙動不審になる。
『はいっ。』
颯太郎が持ってきたタオルで茉莉の頭をガシガシっと拭いていく。
『えっ?いいよ、自分でやるからっ!』
慌てて、茉莉の頭上にある颯太郎の両手を掴むと、顔をあげる。
『……。』
お互いに手を掴んだまま、見つめ合う。
このままキスしたいーーー。
しばらくの沈黙の後、何かにはじかれたように颯太郎が茉莉の頭から手を離し、リビングへと歩いていく。
『ずぶ濡れだ。風呂そろそろ入れると思うからおいで。』
突然温もりが消えた頭から身体が一気に冷えていくのを感じた。
(…私、何を考えてた?)
頭に掛けられたままのタオルを手に持ち換えて『お邪魔します…。』と、か細い声で呟いて颯太郎の後を追った。
『あがって。今、タオル持ってくる。』
『…うん。』
ポタポタと髪の毛の先から、雨の雫が垂れてくる様子を見ながら茉莉は初めて意識のある状態で颯太郎の部屋に足を踏み入れる事に気づいて挙動不審になる。
『はいっ。』
颯太郎が持ってきたタオルで茉莉の頭をガシガシっと拭いていく。
『えっ?いいよ、自分でやるからっ!』
慌てて、茉莉の頭上にある颯太郎の両手を掴むと、顔をあげる。
『……。』
お互いに手を掴んだまま、見つめ合う。
このままキスしたいーーー。
しばらくの沈黙の後、何かにはじかれたように颯太郎が茉莉の頭から手を離し、リビングへと歩いていく。
『ずぶ濡れだ。風呂そろそろ入れると思うからおいで。』
突然温もりが消えた頭から身体が一気に冷えていくのを感じた。
(…私、何を考えてた?)
頭に掛けられたままのタオルを手に持ち換えて『お邪魔します…。』と、か細い声で呟いて颯太郎の後を追った。