ジャスミン
『ごめんね、私のせいで。』

茉莉は申し訳なさそうに謝る。

『いや、俺が茉莉と一緒にいたかっただけだから気にしなくていいよ。それに、そのおかげで今も一緒にいられてる。』

恥ずかしげもなく、そんな台詞がスラスラ出てきてしまう時点でもう俺は彼女にがっつり惚れているのだろう。

『なっ!○△×◇☆~!?』

茉莉は顔を真っ赤にして、言葉にすらならないようだ。

そんな彼女にもっと構いたくなるのは根っからのいじめっ子体質からなのだろうか。グッと堪えると、重い身体を起こす。


『汗だくだから、着替えようかな。俺の裸見る?』

いたずらっ子のような顔を浮かべると、茉莉は『バカッ!お粥か何か作ってくる!』と慌てて部屋を出て行った。

『ふっ、忙しいやつ…。』

茉莉の言動の一つひとつが可愛くて仕方ないのは最早、重症としか言えないのかもしれない。

クローゼットから着替えの服を取ると汗だくの服を脱ぐ。


『こんなとこに冷却シート貼ったのか。』

脇腹に熱で乾ききったシートを見つけて剥がす。
< 96 / 348 >

この作品をシェア

pagetop