ワケアリ男子の秘密
朱雀side
ザァ───
頭にかかるシャワーの水圧が心地良い。
.....不思議なヤツと会ってしまった。
あの話を聞いた後で、
俺にあんなことされて、
俺を避けもしない
気持ち悪がりもしない
それどころか
俺が人を信用してないことまで
見透かした挙げ句に
俺の側に居ていいか、と。
たしかにそう言った。
その真っ直ぐな眼差しを
真っ正面から注がれた俺は
なんといっていいかわからなくなった。
動揺した。
いままでこうやって
俺に向きあって、
こんな眼差しをくれたやつが
他に居なかったから。
早く目を反らしたいはずだったのに
反らせなかった。
それとも俺は反らしたくなかったのか?
勝手にすればいいさ、
とは言ったものの
アイツはこれから何をする気なんだろう。
まったく.....
さっきからアイツのことばっかり。
本当に妙なヤツだ。