ワケアリ男子の秘密



次の日。

女装大会で
誰が女装するかを決める話し合いがあった。



「....」


誰も手を挙げるヤツはいない。

かわりにみんなチラチラと視線をこちらに寄越してくる。



この期に及んで、実は私はすごく迷っていた。


どうするか、やるべきか。

もんもんと悩んでいると、

洋平が手を挙げた。


え!こいつやんのか!?


「ハイハーイ!俺は谷田君を推薦しまーす!異論の無いやつは賛成の拍手をどうぞ!」


なにーーー!?

「はっ!?なに勝手なこと....」



パチ。

パチパチパチパチパチ。


私が言い終わる前に賛成の拍手の嵐が。




「どうしますか?谷田君。」


先生に言われた。




「は.....ハイ。俺で良ければ.....。」

その瞬間、称賛の拍手が巻き起こった。


洋平ぃぃいいい!



母さん、ごめんなさい。



こうして、


私は本当に女装する羽目になった....。
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