ワケアリ男子の秘密
─いっ......
マジでこれ着んのかよ。
これ?という視線を洋平に送った。
「当たり前だろ。」
ただ今、なにを着けるかを
決めているんだけど.....
どれもこれも
足の露出度が半端ねぇ!!
全部生徒会の物で、
なんでも伝統ある昔からの洋服だとか。
にしてもスゴい量だな。
私はそこにあった長めのワンピを
とって、洋平に見せた。
「谷田ちゃん?そんな生ぬるいので一番になれるとでも?」
ニッコリ笑った洋平は言った。
コエーよ。
そんな洋平が手にした洋服は。
明らかに丈が短いマーメイドドレス!!!
ひらひらのフリルのせいで、
ちょっと動いただけでパンツ見えるっつの!
「よし。試着してこい。」
グッと親指を立てて洋平が
俺にドレスを手渡す。
「俺の目に抜かりは無い。なんてったって、男の心を知り尽くしてるからな!」
安心しろ、と言わんばかりに
親指を立てて得意気に。
「分かったよ。試着してくる。」
......とは言ったものの.....!
不味いって!
これはヤバい!
「できたぁー?」
洋平の呑気な声が聞こえる。
洋平、恨むぜ。
おまえ、なんちゅう服を。
私は意を決して
洋平の前に出た。
「どうだ!」
私を見た瞬間、
息を飲む洋平。
「どうだもなにも、スゲー似合ってるじゃんよ!女みたいだぜ!」
そりゃそうだ!
後半の言葉にびくつきながら、俺は言った。
「これで一位にならなかったら洋平、おまえも女装しろよ」
「ヘイヘーイ。」
こいつ本当に呑気だな。