ワケアリ男子の秘密
「───で、X=5になるわけだ。わからないやつ、今のうちに質問しとけー....」
数学の授業、退屈だよ。
私は黒板から窓の外へと視線を移した。
雲の無い青空を眺めながら、
ふと先輩のことを考えた。
最近はあのショーもないイベントの準備のおかげで
全然図書館に行けてない。
先輩、元気にしてるだろうか。
急に行かなくなったから
ビックリしてないといいけど。
今日こそは図書館に行こう。
先輩に謝らないと!
──────
────
.....キーンコーンカーンコーン
授業での終了を告げる鐘が鳴る。
「今日はここまでー。日直、号令!」
このあとのショートが終われば
先輩に会いに行ける!
退屈な授業で、すっかりくたびれた私だけど、それを考えるだけで目が覚める思いになる。
私ってなんて単純なやつ!
早く終われーー!ショート!