ワケアリ男子の秘密
女装大会
とうとう来ました、
女装大会!!
つっても、
準備されたランウェイを王子と歩くだけ。
うん。それだけ.....なんだけど。
私はちらっと簡易楽屋のドアを
開けて外を見た。
がやがや.....
立ち並ぶ屋台。
外にはかなり大勢の人が来ていた。
一般公開っては聞いてたけど、
さすがにここまで来るとは......!
みんなどんだけ女装見たいんだよ....
「おーい!真尋ーー!そろそろ化粧やっとけー!」
洋平が声をかけてきた。
「オッケー!さて、と....」
私は鏡の前に行くと、なんの躊躇も無く慣れた手付きで化粧を開始した。
その様子を見て驚いた洋平。
しまった......!
やってしまった.....これは不味い。
「おまえ、慣れてんな~!」
ギクッ。
「あ、あぁ。一応昔、女形とかやっててさぁ…自分で化粧とか、したりしてて。」
「なるほどー!その顔だもんなー!納得。」
ふぃ~!危ない!
我ながらナイス切り返し。
それからは
順調に事が進んでいった。
指定されたフリッフリのマーメイドドレスに着替えて、
ウィッグを被る。
頭にカチューシャをつける。
仕上げにちょっと高めの黒いパンプスを履いて、と。
「うわー!これじゃあ真尋ちゃん、じゃん!
.......超絶可愛い!俺鼻血出そう」
「本当に男にしておくのはもったいないよなぁ....」
「嫁に来い」
「優勝いけんじゃね?」
「脚、細!」
クラスの男子が率直な感想を
各々述べる。
....そりゃそうだよ。女だし。