光の破片

「ならお前に任せる。ただし、失敗は許さん。断じてだ!」


「御意」


一礼してカイールは陛下の自室から出ていった。




カイールは長い廊下を苦虫をつぶした顔で歩いていた。


長身で金髪、女性なら誰でも振り向くような容姿。


いつもなら穏やかな雰囲気の彼が一転して、殺気を放ってる事に周りの騎士たちは声を掛けるどころか近寄ることさえ出来ないでいた。


くそっ!あのクソジジィ。いつか絶対に消してやる…


城事吹き飛ばしたい衝動で両腕は震えていた。


その顔は悪魔に魂を売ったのかとも思える表情。


しかし一瞬にして今まで纏っていた不機嫌極まりない雰囲気は消え、いつものカイールに戻っていた。


「さーて、これからどうしましょうかね~」


お楽しみは後でユックリ味わうとしよう。


一瞬青い瞳が真っ赤に染まりすぐに元の青に戻る。


そのままカイールは楽しげに鼻歌交じりで城の奥へと姿を消していった。
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