4月1日の離婚





机に置かれた、離婚届を見てため息が出た。



もう一回咲に会いにいくか。



俺は、部屋の前に向かった。



部屋の中からは、咲の鼻をすする声と、嗚咽を我慢する声が聞こえる。





「咲?」




扉の外から訪ねてみた。



けど、咲からの返事はない




――ガチャッ





「おい、咲。」





何も言わずに、扉を開いた。



咲は、驚いたように俺を見て顔を隠す。



その涙を見て、心が少しズキと痛む。



けれども、泣いてる姿も可愛いと思ってしまう。


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