Red zone
「転校してきた日向夏です」
誰も聞いていない。
バカみたいにでかい声で
バカみたいな話しをして
バカみたいにはしゃいでいる。
こんなやつらとこれから生活すると思うと吐き気がする。
「なあ!みかんでそんな名前なかった⁉︎お前、みかんの息子なの⁉︎」
派手な金髪がバカな質問をしてきた。
「・・・お前には俺がみかんに見えたのか?」
「あ?」
俺の質問の答えが悪かったせいか、さっきまで騒いでたバカどもが一斉に静まりかえった。
「てめえ、チビの新入りのくせに何生意気なこと言ってんだ」
眉間にシワを寄せながら金髪が近づいてくる。
担任らしきおっさんが金髪を止めようとするが役には立たない。
金髪との距離が30cmほどになったところで、左頬に衝撃があり体は床へと叩きつけられた。
ほどなくして左頬に激痛が走った。