さあ、好きになりましょうか。
授業中は全く神田の方は見なかった。話し掛けられることもなくて、危うく隣に神田がいることを忘れそうになったくらいだ。
少しだけ、神田とのことを過去にできているのかもしれない。
授業の後、次は空きコマだから購買に行こうと思って立ち上がったら、「あ、愛子、ちょっと」と神田の声が引き止めた。
「……何?」
「この後さ、時間ある?」
「嫌だ」
「俺まだ何も言ってないじゃねえか……そこまで邪険にされると逆に清々しいな」
「そりゃどうも」
「な、ちょっと付き合ってくんね? すぐ終わるから」
あたしは思わず後ずさりして神田と距離を取った。
「……取って食いやしねえよ。食堂に行くんだよ」
「だったら、いいけど」
前ほど本気で嫌がっているわけではなかった。
少しだけ、神田とのことを過去にできているのかもしれない。
授業の後、次は空きコマだから購買に行こうと思って立ち上がったら、「あ、愛子、ちょっと」と神田の声が引き止めた。
「……何?」
「この後さ、時間ある?」
「嫌だ」
「俺まだ何も言ってないじゃねえか……そこまで邪険にされると逆に清々しいな」
「そりゃどうも」
「な、ちょっと付き合ってくんね? すぐ終わるから」
あたしは思わず後ずさりして神田と距離を取った。
「……取って食いやしねえよ。食堂に行くんだよ」
「だったら、いいけど」
前ほど本気で嫌がっているわけではなかった。