さあ、好きになりましょうか。
2.逃亡劇の始まりだ
「愛子さーんっ!」
部活の休憩中、飲み物を飲んでいたら、背後から自分を呼ぶ声が聞こえてきた。どどどど、というせわしない足音も共に近づいてくる。あたしは後ろを一切見ずに後ろ手を振った。バシッと音がして、手の甲に手応えを感じる。どうやら命中したようだ。
「あ、愛子さん……今日も相変わらず絶好調っすね……」
後ろで関谷が額を押さえてよろよろとあたしに歩み寄る。
「それ以上近づいたら頭突きかますよ」
「愛子さんの頭突きならこの頭に何度でも食らいたいですっ」
「ドMか、あんたは」
じろっと睨んだら、関谷はへへっと、さも嬉しそうに笑った。
あたしの言葉は否定しないのかよ。
「愛子さん、今日も素敵ですっ!」
「男子、もう集合してるよー」
関谷をガン無視して男子が集まっている方を指差したら、「うお、いけねっ、愛子さん、また放課後!」と捨て台詞(?)を残して関谷は走って戻って行った。
部活の休憩中、飲み物を飲んでいたら、背後から自分を呼ぶ声が聞こえてきた。どどどど、というせわしない足音も共に近づいてくる。あたしは後ろを一切見ずに後ろ手を振った。バシッと音がして、手の甲に手応えを感じる。どうやら命中したようだ。
「あ、愛子さん……今日も相変わらず絶好調っすね……」
後ろで関谷が額を押さえてよろよろとあたしに歩み寄る。
「それ以上近づいたら頭突きかますよ」
「愛子さんの頭突きならこの頭に何度でも食らいたいですっ」
「ドMか、あんたは」
じろっと睨んだら、関谷はへへっと、さも嬉しそうに笑った。
あたしの言葉は否定しないのかよ。
「愛子さん、今日も素敵ですっ!」
「男子、もう集合してるよー」
関谷をガン無視して男子が集まっている方を指差したら、「うお、いけねっ、愛子さん、また放課後!」と捨て台詞(?)を残して関谷は走って戻って行った。