さあ、好きになりましょうか。
「愛子さんが俺の彼女…………うへへへ」


ラーメンを啜っている傍でそんなことを言われるもんだから、あたしはニヤニヤしている関谷の脇腹を蹴った。


「一回黙れ」

「痛いけど攻撃的な愛子さんも好きー」

「変態。今日泊まってく?」

「えっ」


関谷の笑顔が消えたから、あたしはようやく落ち着いてラーメンを食べることに集中した。


「あ、ああああ愛子さん?」

「何よ」

「今、なんて言いました?」

「泊まってっていいよって言った」

「何その、変態って言った後に『お前なんか死ね』と同じトーンで言う感じ」

「うっさいな、嫌ならさっさと帰りな」

「と、泊まる! 泊まらせていただきますっ」

「あ、でもちゃんと親の許可は取ってよ。あんた一応まだ高校生なんだからね」

「うん……」

「言っとくけど、あたしは高校生だからってあんたを下に見てるわけじゃないからね。純粋に心配してるの。誤解しないで」


コクコクと頷いた関谷の顔は真っ赤に染まっていた。


やっぱりこいつはピュアだなあと思った。


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