さあ、好きになりましょうか。
「関谷が気を病むことじゃないでしょ。わかったよ、しばらく酒は飲まないから、ね?」

「つか、愛子さんまだ未成年なのに……」

「わかったって。もうここでは飲みません」


あたしは関谷の頬を包んだ。珍しく眉尻を下げている関谷を見て、少し罪悪感が生まれる。


「……ごめん」

「俺はいいって。謝るくらいなら、お願いだから自分を大事にして」

「……うん」


関谷があたしの体を引き寄せる。


「それと、もう一つ」

「は? 理由まだあるの?」

「愛子さん、酔うとやばいから」

「……ああ、あの泥酔っぷりか。確かにあれは飲み過ぎた」

「愛子さん、ほんと可愛すぎたんだけど。俺、あの時抑えた自分を褒めるわ」

「…………ごめん、何の話?」


関谷が手を伸ばしてあたしの唇をそっとなぞった。


「愛子さん、酔うとすげえ甘えたになるのな。普段絶対会いたいとか言わないのに。介抱とは言え体密着してたし、手を握ってって言われたとき、まじで理性ぶっとぶかと思った」

「…………何それ、知らない」

「当たり前。言ってねえもん。で、愛子さんが寝た後に耐え切れずにおでこにちゅーしてやった」

「…………嘘でしょ」


夢が夢ではなかった。


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