さあ、好きになりましょうか。
「愛子、なんか怒ってる?」

「別に」

「愛子さーんっ!」


後ろから追いかけてくる声がして、あたしはイラッとした。


「ひどいっすよー、俺に何も言わないで帰っちゃうなんて」

「お前はあたしの彼氏か」

「愛子さんの彼氏を目指してます!」

「目指さなくていいわ。さっさと戻りな」


いつもより低い声が出た。


いらついているのだろうか。何に?


関谷はそんなあたしにはお構いなしにニコニコ笑っている。なんだかいらつく。


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