さあ、好きになりましょうか。
確かに、七海の言う通りではある。これ以上意味もなく関谷にこれからもあんなことをさせていざ振ったとしたら、関谷のみならずあたしも傷つくだろう。今なら間に合う。傷は浅い。


でも、受け入れたら?


七海が彼氏としたようなことをあたし達もする可能性がある。


関谷を思い出してみる。背があたしより低くて釣り目で、笑うと目尻に笑い皺ができて人懐こい笑みを見せる。あたしはあの笑顔が決して嫌いでない。お調子者なのに、試合になるとすごい集中でチームを全力でサポートする。チームメイトが関谷を全面的に信頼しているのも大いに納得がいく。


でもまだ高校生だ。二つ下だ。そんな、年下となんて…………


「愛子さーんっ、お疲れーっす!!」


その時、関谷が後ろから抱き着いてきた。


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