さあ、好きになりましょうか。
「…………は?」

「だって、本当に付き合う気があるなら、その場ですぐ返事をするものですよ。それに、俺に聞かれてもはっきり頷くはずです。なのに、愛子さんは全然はっきりしてない。迷ってるって証拠ですよ」


関谷に見抜かれて、あたしは何も言えなくなって唇を噛んだ。


そう、あたしは迷っている。つい半年前までは大好きだった。でも今は好きじゃない。その違いがあたしを悩ませる。あたしの気持ちはどこにあるのだろうと。


関谷はずっとあたしの腕を掴んでいた。それを振り払う余裕もなくてずっとそのままだった。


不意に関谷がぐっとあたしの腕を強く掴んで自分に引き寄せた。


「わっ……」


次の瞬間、目の前に関谷の顔があった。さっきの笑顔ではなく、試合のときにしか見せない、とても真剣な顔をしていた。


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