さあ、好きになりましょうか。
「手…………繋いでもいいですか?」


俯いている関谷は顔を真っ赤にしていた。


ああ、こいつも頑張ってるんだと思った。


「……奢ったのはあたしなんだけど」

「そ、そのお礼ですっ」

「関谷と手なんか繋いでもあたしは嬉しくないしー」

「…………」


何も言えなくなってしまった関谷を見て、あたしは関谷の手を握り返した。


「冗談だって。ほら、帰るよ」

「……愛子さんって、たまに意地悪ですよね」


むくれた関谷に、あたしは笑ってしまった。


「好きな子ほどいじめたくなるってね」

「え?」

「独り言ー」


初めて繋いだ男の子の手は、少しだけ小さくてとても熱くて、なんだか笑いを堪えるのに必死だった。


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