さあ、好きになりましょうか。
そんな感じで悶々としていたら、スマホが震えた。時刻は既に8時を過ぎていた。LINEだった。


『大丈夫ですか?
鍵はポストに入れておきましたよ!
今日はゆっくり休んでくださいね』


関谷からだった。メッセージの後に、ひよこのキャラクターが布団にくるまって寝ているスタンプが送られていて、あたしは思わず吹き出してしまった。


「……可愛い」


昨日あんなことしちゃったのに、君はなんで優しいの。


「…………ははっ」


ひよこのキャラクターのスタンプを選んで送る関谷の顔を想像したら笑えてきた。同時に涙腺が緩んで一筋涙が零れた。


おかしくて嬉しい。なのに、悲しい。


ああ、あたしは関谷が好きなんだ。好きで好きでたまらないんだ。


関谷の笑顔が愛おしくて、独り占めしたくてたまらないんだ。


自覚した時には既に重症だったなんて。


でも、伝えられない。今この状況で打ち明けることはできない。


これこそ、自業自得だ。


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