お見合いの達人
「時代が違うんでしょうよ」

そう言って笑い飛ばせたなら、

どんなにかいいに違いない。

けれど社会が私をどう保障してくれると言うのだ、

どんなに頑張ったって歯車の一つ、

壊れてしまったらもう誰からも必要とされない。


私はそれに耐えて生き登りつめて行けるなのだろうか。

「はあああああぁぁぁ」


だから結婚に安定を求めたけど、

それが上手くいかない今、

会社にしがみつくしかない。


本社から届いた辞令を眺めながらため息が出る。






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