お見合いの達人
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「そんなの絶対ヤです!」

私から説明を聞いたミーコちゃんが怒気を強めた。


「だってあの人でしょ浜木って人!


、この間も店長の休みの時来ててめちゃくちゃだったんですよ。


 自分じゃちっとも動かないくせに、

 文句ばっかり言って、

 閉めもしないで帰っちゃうんですよ。


 代理だから、我慢できるけど、

 ずっとなんて辛くて死んじゃいます!」


「私はパートだから、そんなんこと言う権利は無いですが、

 一寸あの人ではついていけない気がします。」



阿部さんも眉間にしわを寄せてしまう。


まあ、その時の様子が手をとるように判るのが怖い。



「わかった、一応本社にはその旨は伝えるけど、

 もう、決定だからね。


 浜木さんも今みどりカフェに出向して頑張ってるから、

 変更は難しいかもしれないわね。


 それにスタッフも増えるし、

 みんなにばかり負担にはならないようになると思う」


「そうかなあ」


みどりカフェの方からは喫茶スタッフが来るらしいので、

こっちのスタッフがどんな風に対応しなければならないかは、

実際に新体制になってからでないとわからない。


そこに自分はいないことになるし、

彼女たちがどうなるのかはっきり言ってあげられない。

一番今回のことで割を食ってしまうのは彼女たち残されるスタッフだ。


「本社でできるだけみんなが働きやすいバックアップできるように頼むから。

 社をあげてのビックプランだって言うから、悪い方にはならないはず心配しないで。

 とりあえず私たちは今、最後までこの店舗で精いっぱい接客しましょう

 お客様には会社の事情は関係ないんだからね」


二人は納得いかないと言った表情で持ち場に戻っていった。


私は心の中でごめんと手を合わせた。


とにかく彼女たちが嫌な思いをしないように配慮してあげなくちゃ。


離れたとしても大切な仲間なのだから。

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