お見合いの達人
「か、関係ないでしょ?」
「そうだね。関係ないよね。」
明らかに作り込んだ笑顔を張り付けてにっこりと振り返った。
「藤吾?どうした?」
「兄貴の結婚式出てよね。勝手に出席にしといたから」
「だから無理だって」
「出ろよ!」
泣きそうな顔でわたしを見つめる。
さっきからおかしい。
「さっきの男、いい奴そうじゃん。
またお見合いしたのかよ」
「してない。まあ、お見合相手だったってことは確かだけど」
「そっか」
ふふっと笑う藤吾は明らかに変だ。
傍若無人で自分勝手で、私の都合なんて考えない奴なのに。
さっきの靴の時の態度も、
いつもなら人を小馬鹿にした態度で……そう野良猫みたいな奴のはずなのに。
「藤吾?あんた今日どうした?」
「俺あんたが好きだ奈留」
「え、う、うん」
「だから、あきらめることにした」
「は?」
何だってこいつは突拍子がないんだろ?
好きだから諦める?
意味分かんないんだけど。
「俺がどんなに好きだって言っても、
俺が結婚対象にならないってことは分かってる。
お見合いするってことはそれ前提だよな。
俺みたいな、無職の男が付きまとったら、
まとまるものもまとまらないよな」
「何?気にしてるの?さっきのはトシローって言って、
まだ付き合ってもいなくて……」
「いいよ、別にいいわけはいいんだ。
俺に責める権利とかないし、
奈留」
「あ、はい」
「大好きだけど、
もうこれ以上奈留に付きまとうのはやめる。
だから、最後の願い聞いて?」
「そうだね。関係ないよね。」
明らかに作り込んだ笑顔を張り付けてにっこりと振り返った。
「藤吾?どうした?」
「兄貴の結婚式出てよね。勝手に出席にしといたから」
「だから無理だって」
「出ろよ!」
泣きそうな顔でわたしを見つめる。
さっきからおかしい。
「さっきの男、いい奴そうじゃん。
またお見合いしたのかよ」
「してない。まあ、お見合相手だったってことは確かだけど」
「そっか」
ふふっと笑う藤吾は明らかに変だ。
傍若無人で自分勝手で、私の都合なんて考えない奴なのに。
さっきの靴の時の態度も、
いつもなら人を小馬鹿にした態度で……そう野良猫みたいな奴のはずなのに。
「藤吾?あんた今日どうした?」
「俺あんたが好きだ奈留」
「え、う、うん」
「だから、あきらめることにした」
「は?」
何だってこいつは突拍子がないんだろ?
好きだから諦める?
意味分かんないんだけど。
「俺がどんなに好きだって言っても、
俺が結婚対象にならないってことは分かってる。
お見合いするってことはそれ前提だよな。
俺みたいな、無職の男が付きまとったら、
まとまるものもまとまらないよな」
「何?気にしてるの?さっきのはトシローって言って、
まだ付き合ってもいなくて……」
「いいよ、別にいいわけはいいんだ。
俺に責める権利とかないし、
奈留」
「あ、はい」
「大好きだけど、
もうこれ以上奈留に付きまとうのはやめる。
だから、最後の願い聞いて?」