お見合いの達人
「できました」
とりあえずではあるが、計画から試行までのシュミレーションを盛り込んだ提案書。
現在までの進捗状況の報告書と予算案を作成した。
他社の事例資料と、みどりカフェの事業成績書類を資料として準備した。
「あ、ああご苦労様」
ばさばさばさっ
たぶん半分夢の世界に跳んでいた課長は、
私の声で現実に戻されあわてて立ち上がったせいで机の上の資料が音を立てて床に崩れた。
「ああ、もう気をつけてください」
「すまん」
床に散らばった書類を拾いながら、
バラバラにならないように分類する。
その様子を見ていたのだろう課長がぼそぼそと話し始める。
「気がついていると思うが、
この課は上手く回っていない……」
「はあ」
「私が力不足なのもあるが、慢性的に不満が溜まっているんだ」
「そうですか……でもそれは」
立ち上がって、書類を手渡す。
「でもそれは私に愚痴っても何もなりませんよ。
課長、しっかりしてください。
会社は仲良しクラブじゃありませんよ。
言いにくいことも、きついことも言わなくちゃならないのが上司でしょ?」
「はは、全くだ、
さすが長い間店長をしていた人だね。
肝に銘じるよありがとう。
書類も。助かった」
「はい」
少しだけいい気分だった。
とりあえず自分の存在価値をここに見出せそうだと感じたから。
とりあえずではあるが、計画から試行までのシュミレーションを盛り込んだ提案書。
現在までの進捗状況の報告書と予算案を作成した。
他社の事例資料と、みどりカフェの事業成績書類を資料として準備した。
「あ、ああご苦労様」
ばさばさばさっ
たぶん半分夢の世界に跳んでいた課長は、
私の声で現実に戻されあわてて立ち上がったせいで机の上の資料が音を立てて床に崩れた。
「ああ、もう気をつけてください」
「すまん」
床に散らばった書類を拾いながら、
バラバラにならないように分類する。
その様子を見ていたのだろう課長がぼそぼそと話し始める。
「気がついていると思うが、
この課は上手く回っていない……」
「はあ」
「私が力不足なのもあるが、慢性的に不満が溜まっているんだ」
「そうですか……でもそれは」
立ち上がって、書類を手渡す。
「でもそれは私に愚痴っても何もなりませんよ。
課長、しっかりしてください。
会社は仲良しクラブじゃありませんよ。
言いにくいことも、きついことも言わなくちゃならないのが上司でしょ?」
「はは、全くだ、
さすが長い間店長をしていた人だね。
肝に銘じるよありがとう。
書類も。助かった」
「はい」
少しだけいい気分だった。
とりあえず自分の存在価値をここに見出せそうだと感じたから。