お見合いの達人

2.愛すべきファーマーズ

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大将に、断りの連絡をしたすぐ後、

まるで待っていたかのように、

朝子おばちゃんから電話が入った。

田舎の農場の跡取り息子が嫁を探している。

そう連絡が入った。

「農家?ふぁあむ?ファーマー?」

----『そうよ、奈留ちゃん家付き土地付き、

  仕事つきよ。身一つでお嫁に来てくれればいいって

  ああ、両親ももうお亡くなりになってるから、

  面倒な介護とかもないわよ。

  お買い得でしょ?』

おばちゃん、

本気でそう言ってんの?

あなたの息子は、

ババつきだから、

問題物件っていうことになるわよ?

そうか、

農家か、

射程圏外だったなあ。

---『奈留ちゃん?聞いてる?

 いいい?奈留ちゃんは40なんだからえり好みしてる場合じゃないんだから、

 断ったりなんかしないでよ?

 おばちゃんがんばってあちこち当たってやっと探したのよ?

 いいわね。

 今度の日曜にこっちに帰ってらっしゃい!」


前回怒りまくって、

縁談なんて探してないと思ったおばちゃんが、

早々にこうやって電話してきたのだから、

ヤダなんて答えを許されるとは思っていない。

「うん。

 でも、おばちゃん

 昔じゃないんだから、

 会ったからって結婚しろとか言わないでよ?」


当たり前じゃないのなんて、

笑い飛ばされたけど、

かなりそれがありそうで怖いんですけど。






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