お見合いの達人
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ここ?

駅を降りて、詐欺師〈以後サギーと呼ぼう〉に連れられてきた建物を見上げ息をのんだ。


だってここは私の元職場だったから。


「ふふ、懐かしいよね?ここ君との出会いの場だもの?」

「なんで、ここ?」

「あ、まあ、理由は追々?」


サギーのことだろくなことではないのだけど、

理由とやらは気になるし、

それに、

藤吾とのことをサギーに会ってからすっかり忘れていた。

ぐずぐずといじけていたくせに、次の刺激があれば、忘れてしまうとか、

私なんて薄情な女だろう。


モールは広く、
フードコート、
フードテラス、
カフェも沢山入っているから、

多少は抵抗があったけど、サギーについて行ったけど、

途中から明らかに方向が怪しかった。


「ね、ねぇ、どこへ行くつもり?」

「ここねえ、最近珍しい文具カフェかできたんだってさ。
一度行ってみたいなあと思って、でも男一人じゃなかなか行けなくて、いいよね?そこで」

「い、いやあ、不味いかなあ~?」

「何で?」

「そこ、うちの……えと…」

サギーにこれ以上個人情報流れるのは不味いよね……

かといって、このまま行くのも避けたいし

なんかないのか、いい方法は…?

なとと葛藤してる間に一番不味い相手に見つかってしまった。


「店長!」







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