お見合いの達人
俯きながら注文すると、ミーコちゃんがにこにこと、

傍にやってきて、


「いつも話してる前店長の春日さんなんですよー」

とアルバイトらしい子に話しかけて、目配せをすると、

「いつもお話は伺ってます」

にっこりとしながら、

私からお金を受け取り、番号札を手渡してきた。


「お席でお待ちください」

素晴らしいミーコちゃんと違って、全く動じない。


社員教育の賜物なのかしら?

……あの人の……


番号札を持ってサギーの待つ席に戻ろうとして、ウっとなって固まった。

まずいまずいっ

絶対会いたくないあの人が、なぜかサギーに食いついている?


「どういうことなの?!」










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