お見合いの達人
Oh マイガー!

視線は狂暴化して私に向けられた。


ヒイッ息を飲んだけど足は固まったまま動けず、

ツカツカと私を標的にして進んでくる。

「どういうつもりなんです?

 貴方、私を馬鹿にしに来たの?」


「馬鹿にう?

 い、いいえ、そんなつもりはなくて、

 たまたま、その人がここに寄りたいと……」


サギーを指差して、思いっきりひきつった笑顔で答えた。

戸惑い、怒り、嫉妬そんなものが爆発したように見えた。


「あなたに飲んでいただけるものはここにはないわ。

 このまま引き取って頂けない?」


私の持っていたナンバーカードを、

取りあげると、

注文レジに向かい勝手返金手続きを始めた。


いくら私のこときにいらないからってこれはやりすぎでしょ?


以前社員として視察に来たときには、

客として来たのではなかったからここまで不快感を出されることはなかったのだろうか?


私が好んでここに来たのではなくても、

とても黙ってはいられなかった。


レジ横にいる彼女の肩を掴む。


「浜木さんいい加減にして。

あくまでプライベートで客としてここにいる私にその態度なの?

それともこの店は客を理由もなくそんな扱いをしているの?」


「っつ」


息を飲むとそのまま


わっと泣き出した。

店内は何事かと一斉に

何事かと視線が集まった。

なんなのよいったい。

これじゃ私が悪者じゃない。

被害者はだれなのよ? 










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